![]() 生分解性架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)
专利摘要:
架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)及びその組成物及びヌクレオチド分子が開示されている。架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)を調製するための方法も開示されている。 公开号:JP2011514423A 申请号:JP2010550919 申请日:2009-03-16 公开日:2011-05-06 发明作者:アンワー、クルシード;スパークス、ブライアン、ジェフリー;スロボドキン、グレゴリー;フェウェル、ジェイソン;マタール、マジェッド 申请人:エーゲン、インコーポレイテッド; IPC主号:C08G73-04
专利说明:
[0001] 本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2008年3月14日出願の仮出願第61/036,775号の利益を主張するものである。] [0002] 本発明は、架橋ポリマーと、その医薬組成物と、架橋ポリマー及び組成物を使用し調製する方法とに関する。] 背景技術 [0003] 遺伝子療法の成功は、遺伝子送達系が効率的に且つ安全に治療遺伝子を標的組織に送達する能力に依拠する。遺伝子送達系は、ウイルス性及び非ウイルス性(又は、プラスミドDNAベース)に分けることができる。今日、臨床で使用されている現在の遺伝子送達技術は、標的細胞にそれら固有の化学的、生化学的、及び分子生物学的性質を通してトランスフェクトし又は感染する能力を有する点で、第1世代と見なすことができる。しかし、これらの性質のみに依拠することで、治療用途が限定される。例えば、哺乳動物細胞に感染する能力を有するウイルスは、高い導入効率での遺伝子移入に効果的に使用されてきた。しかし、深刻な安全性に関する問題(例えば、宿主による強度の免疫応答及び変異誘発の可能性)がウイルス系を臨床用途で使用した場合に持ち上がっている。] [0004] 非ウイルス遺伝子送達系は、「裸のDNA」又は配合されたプラスミドDNAをベースにしたものであり、使用が簡単で特定の免疫応答を刺激しないので、ウイルスベクターに優る潜在的利益を有している。いくつかの合成遺伝子送達系は、陽イオン性脂質、ペプチド、及びポリマーを含め、裸のDNAの制約を克服することが記述されている。初期の楽観にも関わらず、陽イオン性脂質をベースにした系の臨床的関連は、その低効率、毒性、及び難治性により制約を受けている。] [0005] ポリマーは、その一方で、その優れた分子柔軟性によって、複雑な修飾及び新規な化学的性質の組込みを可能にするので、現行の系に対する実現可能な代替例として浮上してきている。ポリ(L−リシン)(PLL)及びポリ(L−アルギニン)(PLA)、ポリエチレンイミン(PEI)などの陽イオン性ポリマーは、DNAを凝縮し、DNAの安定性を促進させ、膜貫通送達を行うことができるので、遺伝子送達候補として広く研究されている。陽イオン性ポリマーのトランスフェクション効率は、その分子量の影響を受ける。高(>20kD)分子量のポリマーは、より低い分子量のポリマーよりも、良好なトランスフェクション効率を有している。しかし、高分子量のポリマーは、細胞傷害性でもある。この問題を回避し、且つその細胞傷害性を増大させることなく陽イオン性ポリマーのトランスフェクション活性を改善する、いくつかの試みがなされてきた。例えば、Limらは、分解性ポリマー、ポリ[α−(4−アミノブチル)−L−グリコール酸](PAGA)を融解縮合によって合成した。Pharm.Res.17:811〜816、2000。PAGAを、いくつかの遺伝子送達研究で使用してきたが、その実際の適用は、低トランスフェクション活性及び水溶液中での不十分な安定性が原因で限定される。J Controlled.Rel.88:33〜342、2003;Gene Ther.9:1075〜1084、2002。分解性ポリマーの2〜3のその他の例の中には、ヒドロキシプロリンエステル(PHPエステル)及び網状構造化ポリ(アミノエステル)がある。PHPエステルは、Cbz−4−ヒドロキシ−L−プロリンから、溶融縮合によって又はジシクロヘキシルカルボジイミド(ジメチル−アミノ)ピリジン(DCC/DMAP)活性化重縮合によって合成した。J.Am.Chem.Soc.121:5633〜5639、1999;Macromolecules 32:3658〜3662、1999。網状構造化ポリ(アミノエステル)(n−PAE)は、ビス(2−メトキシ−カルボニルエチル)[トリス−(ヒドロキシメチル)メチル]アミンのヒドロキシル基とカルボキシル基との間のバルク重縮合と、その後に行われる6−(Fmoc−アミノ)ヘキサン酸との縮合を使用して合成した(Bioconjugate Chem.13:952〜957、2002)。これらのポリエステルは、DNAを凝縮し、細胞傷害性が低い状態でin vitroで細胞にトランスフェクトされることが示されているが、水溶液中でのその安定性は不十分である。] 課題を解決するための手段 [0006] 一態様では、本発明は、第1級、第2級、及び第3級アミノ基を有する分枝状ポリ(アルキレンイミン)単位からなる分子間架橋ポリ(アルキレンイミン)であって、これらの単位が、ポリ(アルキレンイミン)単位中の第1級アミノ基及び生分解性結合を有する短鎖リンカーにより互いに共有架橋結合しており、少なくとも1個の第1級アミノ窒素が任意選択で保護されており、少なくとも1単位が任意選択で標的リガンド、可視化剤、及び/又は親油性基に結合されている、分子間架橋ポリ(アルキレンイミン)を提供する。] [0007] 別の態様では、本発明は、第1の保護基によって保護されている第1級アミノ窒素原子の実質的に全て、及び第2の保護基によって保護されている第2級アミノ窒素原子の実質的に全てを有する分枝状ポリ(アルキレンイミン)である化合物を提供する。] [0008] 別の態様では、本発明は、保護されていないその第1級アミノ窒素原子の実質的に全て、及び保護されているその第2級アミノ窒素原子の実質的に全てを有する分枝状ポリ(アルキレンイミン)である化合物を提供する。] [0009] さらに別の態様では、本発明は、複数の第1級及び第2級窒素原子を有する、分枝状ポリ(アルキレンイミン)である化合物であって、 (a)第2級アミノ窒素原子の実質的に全てが、保護基によって保護されており、 (b)第1級アミノ窒素原子が (i)保護されておらず、又は (ii)保護されており、又は (iii)親油性基、標的リガンド、及び/又は可視化剤であるR1に結合しており、 第1級窒素の少なくとも1個が保護されており、第1級窒素原子の少なくとも1個がR1に結合している、 化合物を提供する。] [0010] さらに別の態様では、本発明は、本発明の架橋ポリ(アルキレンイミン)及びヌクレオチド分子を含む医薬組成物を提供する。ある態様では、ヌクレオチドが小RNA分子である。] [0011] 本発明はさらに、本発明の架橋ポリ(アルキレンイミン)を作製するための方法を提供する。この方法は、(a)分枝状ポリ(アルキレンイミン)内の第2級窒素原子の少なくとも約50%を可逆的に遮断して、保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)を形成するステップと、(b)保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)を、生分解性結合を有する短鎖リンカーと架橋するステップとを含む。望みに応じて、保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)単位を、架橋後に脱保護してもよい。] [0012] さらに別の態様では、本発明は、本発明の架橋ポリ(アルキレンイミン)を調製するためのその他の方法を提供する。これらの方法は、(a)分枝状ポリ(アルキレンイミン)内の第1級窒素原子の少なくとも約75%を可逆的に遮断して、第1級窒素が保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)を形成するステップと、(b)第1級窒素分岐状ポリ(アルキレンイミン)内の第2級窒素原子の少なくとも約50%を可逆的に遮断して、第1級窒素及び第2級窒素が保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)を形成するステップと、(c)第1級窒素及び第2級窒素が保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)中の第1級窒素原子を脱保護して、第2級窒素が保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)を生成するステップと、(d)第2級窒素が保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)を、生分解性結合を有する短鎖リンカーと架橋して、第2級窒素が保護された架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)を形成するステップとを含む。望みに応じて、架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)中の第2級窒素を、架橋後に脱保護することができる。] [0013] また、望みに応じて、架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)が標的リガンド、可視化剤、及び/又は親油性基を保持するように、典型的には保護された前駆体をそのような適切な試薬と、架橋前に反応させることによって、さらに修飾してもよい。] [0014] 本発明はさらに、本発明の方法によって生成される架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)を提供する。] [0015] 生理的pH以下での製剤中の水性媒体において、本発明の架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)は、一般に、陽イオン形態で存在する。言い換えれば、利用可能な窒素原子のいくつかは陽イオン性になり、即ちプロトン化形態になる。] 図面の簡単な説明 [0016] 本発明の別の態様による、siRNAとポリマーとの間の複合体形成を実証する電気泳動の結果を示す図である。 本発明のさらに別の態様による、GAPDH活性について記述するデータを、適切な対照と比較して示すグラフである。 本発明のさらに別の態様による、ルシフェラーゼ活性について記述するデータを、適切な対照と比較して示すグラフである。 本発明の別の態様による、分枝状PEIベースの架橋ポリマーを用いて調製されたsiRNA複合体のVEGF発現について記述するデータを、対照siRNA複合体と比較して示すグラフである。 本発明のさらに別の態様による、分枝状PEIベースの架橋ポリマーを用いて調製されたsiRNA複合体のVEGF発現について記述するデータを、対照siRNA複合体と比較して示すグラフである。 本発明の別の態様による、分枝状PEIベースの架橋ポリマーを用いて調製されたsiRNA複合体によるApoB転写物の阻害について記述するデータを、対照siRNA複合体と比較して示すグラフである。 本発明のさらに別の態様による、本発明の架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)を用いて配合されたGAPDH siRNAの静脈内注射後のマウスの肺組織におけるGAPDHの発現について記述したデータを、配合された非サイレンシングsiRNAが注射された対照マウスでのGAPDHレベルと比較して示すグラフである。 本発明のさらに別の態様による、本発明の架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)を用いて配合されたGAPDH siRNAの静脈内注射後のマウスの肝臓組織におけるGAPDHの発現について記述したデータを、配合された非サイレンシングsiRNAが注射された対照マウスでのGAPDHレベルと比較して示すグラフである。 本発明の架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)を用いて配合された、また配合された非サイレンシングsiRNAによる、VEGF siRNAを静脈内注射した後の、マウスの肺及び脾臓におけるVEGF転写物レベルについて記述したデータを示すグラフである。] [0017] 本発明について開示し記述する前に、本発明は、本明細書に開示される特定の構造、プロセスステップ、又は材料に限定されるものではなく、関連ある技術分野の当業者により認識され得るように、それらの均等物にまで及ぶことを理解されたい。また、本明細書で用いられる用語は、単に特定の実施形態について記述する目的で使用され、限定しようとするものではないことも理解すべきである。] [0018] 本明細書及び添付される特許請求の範囲で使用されるように、単数形の「a」、「an」、及び「the」には、文脈中でその他の意味が明らかに示されていない限り、複数形の意味も含まれることに留意しなければならない。したがって例えば、「分子(a molecule)」を含有するポリマーについて言及する場合、そのような分子の1個又は複数を有するポリマーを意味し、「抗体(an antibody)」について言及する場合、そのような抗体の1個又は複数を意味することも含まれる。] [0019] 定義 本発明について記述し、その特許請求の範囲を述べる際、以下の用語が、以下に示される定義に従い使用されることになる。] [0020] 本明細書で使用される「トランスフェクト(する)」及び「トランスフェクション」という用語は、細胞外環境から細胞内環境、特に細胞質及び/又は細胞核への核酸の輸送を指す。いかなる特定の理論に拘泥するものでもないが、核酸は、ポリマー複合体の内部に包封され若しくはポリマー複合体に接着された後に、又はそれと共に同伴された後に、細胞に送達し得ることを理解されたい。特定のトランスフェクションの場合、核酸を細胞核に送達する。] [0021] 本明細書で使用される「対象」は、本発明の薬物組成物の投与又は方法から利益を受けることができる哺乳動物を指す。対象の例には、ヒトが含まれ、ウマ、ブタ、ウシ、イヌ、ネコ、ウサギ、及び水生哺乳動物などのその他の動物を含めてもよい。] [0022] 本明細書で使用される「組成物」は、2種以上の化合物、元素、又は分子の混合物を指す。いくつかの態様では、「組成物」という用語は、核酸及び送達系の混合物を指すのに使用することができる。] [0023] 本明細書で使用される「小」は、ヌクレオチド配列について言及するのに使用する場合、一態様では約17〜30塩基対、又は別の態様では10〜100塩基対のヌクレオチド鎖長を有するヌクレオチド配列を指す。] [0024] 本明細書で使用される「投与」、「投与する」、及び「送達(する)」という用語は、組成物を対象に与える手法を指す。投与は、経口、非経口、経皮、吸入、及び移植など、様々な当技術分野で知られている経路によって実現することができる。したがって経口投与は、組成物を含む経口剤形の嚥下、咀嚼、吸引によって実現することができる。非経口投与は、静脈内、動脈内、筋肉内、関節内、くも膜下腔内、腹腔内、皮下、腫瘍内、及び頭蓋内から組成物を注入することによって実現することができる。そのような用途で注入可能な物質は、液体溶液若しくは懸濁液として従来の形で、又は注入前に液体に溶かす溶液若しくは懸濁液としての調製に適した固体の形で、又はエマルジョンとして調製することができる。さらに経皮投与は、皮膚表面に、経皮組成物を塗布し、ペーストとして付着させ、ローラで付着させ、添着し、注ぎ、押圧し、擦り付けることによって、実現することができる。これら及び追加の投与方法は、当技術分野で周知である。投与に使用することができる適切な添加物には、例えば、水、生理食塩液、デキストロース、グリセロール、及びエタノールなどが含まれ、望みに応じて、湿潤剤や乳化剤などの少量の補助物質、及び緩衝剤などが含まれる。] [0025] 本明細書で使用される「ヌクレオチド配列」及び「核酸」という用語は同義に使用することができ、DNA及びRNA、並びにこれらの合成コンジナーを指す。核酸の非限定的な例には、タンパク質をコード化するプラスミドDNA又はヌクレオチド配列を産生する阻害RNA、1本鎖又は2本鎖の合成配列、ミセンス、アンチセンス、ノンセンス、並びにタンパク質、ペプチド、及び核酸産生を制御するオン/オフヌクレオチド及び速度調節ヌクレオチドを含めてもよい。さらに、核酸には、ゲノムDNA、cDNA、RNAi、siRNA、shRNA、mRNA、tRNA、rRNA、ミクロRNA、及びハイブリッド配列又は合成若しくは半合成配列を含めてもよいが、これらの限定されるものではない。さらに核酸は、天然若しくは人工由来のもの、又はその両方であってもよい。一態様では、ヌクレオチド配列は、治療用タンパク質の合成又は阻害をコード化するものを含んでもよい。そのような治療用タンパク質の非限定的な例には、抗癌剤、成長因子、血糖降下剤、血管新生阻害剤、細菌抗原、ウイルス抗原、腫瘍抗原、又は代謝酵素を含めてもよい。抗癌剤の例には、インターロイキン−2、インターロイキン−4、インターロイキン−7、インターロイキン−12、インターロイキン−15、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、コロニー刺激因子、顆粒球−マクロファージ刺激因子、血管新生阻害剤、腫瘍抑制剤、チミジンキナーゼ、eNOS、iNOS、p53、p16、TNF−α、Fas−リガンド、変異癌遺伝子、腫瘍抗原、ウイルス抗原、又は細菌抗原を含めてもよい。別の態様では、プラスミドDNAが、腫瘍細胞又はその他の過剰増殖性細胞の成長又は維持に関与するタンパク質(単数又は複数)を阻害するよう設計されたRNAi分子を、コード化することができる。さらに、いくつかの態様では、プラスミドDNAは、治療用タンパク質と1個又は複数のRNAi分子とを同時にコード化することができる。その他の態様では、核酸は、プラスミドDNAと、センスRNA、アンチセンスRNA、及びリボザイムを含む合成RNAとの混合物であってもよい。さらに、核酸は、そのサイズを様々にすることができ、オリゴヌクレオチドから染色体にまで及ぶ。これらの核酸は、ヒト、動物、野菜、細菌、ウイルス、又は合成由来のものであってもよい。これらは、当業者に公知の任意の技法によって得てもよい。] [0026] 本明細書で使用される「ペプチド」という用語は、1つのアミノ酸のカルボキシル基によって別のαアミノ基に結合された2つ以上のアミノ酸を含む、天然又は合成分子を指すのに使用することができる。本発明のペプチドは、長さによって限定されるものではなく、したがって「ペプチド」は、ポリペプチド及びタンパク質を含むことができる。役立てることができるペプチドの非限定的な例には、オキシトシン、バソプレッシン、副腎皮質刺激ホルモン、表皮成長因子、プロラクチン、ルリベリン又は黄体形成ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン、成長ホルモン放出因子、インスリン、スマトスタチン、グルカゴン、インターフェロン、ガストリン、テトラガストリン、ペンタガストリン、ウロガストリン、セクレチン、カルシトニン、エンケファリン、エンドルフィン、アンギオテンシン、レニン、ブラジキニン、バシトラシン、ポリミキシン、コリスチン、チロシジン、グラミシジン、及びこれらの合成類似体、修飾体、及び薬理学的に活性な断片、並びにモノクローナル抗体及び可溶性ワクチンが含まれる。] [0027] 本明細書で使用される「共有」及び「共有的に」という用語は、電子が原子対間で共有される化学結合を指す。] [0028] 本明細書で使用される「薬物」、「活性剤」、「生物活性剤」、「医薬品活性剤」、「薬物」、及び「医薬品」は同義に使用することができ、有意な又は有効な量で対象に投与したときに、測定可能な特定の又は選択される生理活性を有する薬剤又は物質を指す。これらの技術用語は、医薬品及び医薬の分野で周知である。そのような物質の例には、対象に送達することができる広範な種類の化合物が含まれる。一般に、この化合物には:核酸及びオリゴヌクレオチド;抗生物質や抗ウイルス剤などの抗感染剤;鎮痛剤及び鎮痛剤の組合せ;食欲抑制剤;駆虫剤;抗関節炎剤;抗喘息薬;抗痙攣剤;抗うつ剤;抗糖尿病剤;下痢止め剤;抗ヒスタミン剤;抗炎症薬;抗片頭痛製剤;制嘔吐剤;抗新生物剤;抗パーキンソン薬;かゆみ止め剤;抗精神病薬;解熱剤;鎮痙剤;抗コリン作用剤;交感神経興奮剤;キサンチン誘導体;カリウム、カルシウムチャネル遮断薬、β−遮断薬;α−遮断薬、及び抗不整脈剤を含む心臓血管製剤;降圧剤;利尿剤及び抗利尿剤;全身、冠状動脈、末梢、及び脳を含む血管拡張剤;中枢神経系刺激剤;血管収縮剤;充血除去剤を含む感冒薬;エストラジオール、及びコルチコステロイドを含めたその他のステロイドなどのホルモン;睡眠剤;免疫抑制剤;筋弛緩剤;副交感神経遮断薬;精神刺激剤;鎮静剤;及びトランキライザーが含まれるが、これらに限定するものではない。本発明の方法により、全ての形態にある薬物、例えばイオン化、非イオン化、遊離塩基、及び酸負荷塩などにある薬物は、高又は低分子量の薬物の場合に可能であるのと同様に、送達することができる。] [0029] 本明細書で使用される「生分解性」という用語は、可溶化加水分解、還元、又は酵素若しくは生物のその他の産生物であってもよい生物学的に形成された実体の動作によって、それほど複雑ではない中間体又は最終生成物へと材料が変換されることを指す。] [0030] 本明細書で使用される「ポリマー主鎖」という用語は、指定された範囲内の重量平均分子量を有するポリマー主鎖分子の集合体を指すのに使用される。ポリマー主鎖は、一般に、分子の少なくとも2つの末端を有する。例えば、分枝状ポリマー主鎖の場合、各分枝は、少なくとも1つの末端を有すると見なされる。] [0031] 本明細書で使用される「実質的に」という用語は、動作、特徴、性質、状態、構造、項目、又は結果の完全な又はほぼ完全な範囲又は程度を指す。例えば、「実質的に」包封されている物体とは、その物体が、完全に包封され又はほぼ完全に包封されていることを意味すると考えられる。絶対的完全性からの正確な許容変位度は、場合によっては、特定の文脈に依存する可能性がある。しかし、一般的に言えば、ほぼ完全な状態とは、あたかも絶対的且つ全体的な完全性が得られたのと同じ全結果を有するようなものになる。「実質的に」の使用は、動作、特徴、性質、状態、構造、項目、又は結果の完全な又はほぼ完全な欠乏を指すために負の暗示で使用した場合、等しく適用可能である。例えば、粒子を「実質的に含まない」組成物は、粒子が完全に欠乏しており、又は粒子がほぼ完全に欠乏しているのでその効果が完全に欠乏している粒子の場合と同じになるようなものである。言い換えれば、成分又は元素を「実質的に含まない」組成物は、その測定可能な効果がない限り、そのような成分又は元素を依然として実際に含有していてもよい。] [0032] 分枝状ポリ(アルキレンイミン)(BPAI)に関連して本明細書で使用される「単位」という用語は、架橋前の分枝状ポリ(アルキレンイミン)ポリマーの分子を指す。BPAIの単位は、可視化剤又は本明細書で論じられるその他の基を保持していてもよく、そのような基は、架橋前に望み通りにBPAIに組み込むことができる。] [0033] 本明細書で使用される「約」という用語は、所与の値が端点の「わずかに上」又は「わずかに下」であってもよいとすることによって、数値範囲の端点に柔軟性を与えるのに使用される。] [0034] 本明細書で使用される複数の項目、構造要素、組成元素、及び/又は材料は、便宜上、共通リストに示すことができる。しかし、これらのリストは、リストの各メンバーが個別の且つ独自のメンバーとして個々に特定されているかのように解釈すべきである。したがって、そのようなリストの個々のメンバーは、対照的な事項を示すことなく共通の群に示される内容に基づくだけで、同じリストの任意のその他のメンバーとの事実上の均等物であると解釈すべきでない。] [0035] 濃度、量、及びその他の数値データは、範囲フォーマットで本明細書中に表され又は提示してもよい。そのような範囲フォーマットは、単に便宜上略して使用され、したがって、範囲限度として明確に示される数値だけではなく、個々の数値の全て又はその範囲に包含されるサブ範囲も、これら数値及びサブ範囲のそれぞれが明確に示されるかの如く含まれるように、柔軟に解釈すべきことを理解されたい。例示として、「約1から約5」という数値範囲は、約1から約5と明確に示された値だけではなく、個々の値及び指示された範囲内のサブ範囲も含むと解釈すべきである。したがって、この数値範囲には、2、3、及び4などの個々の値と、1〜3、2〜4、及び3〜5などのサブ範囲、並びに1、2、3、4、及び5が個々に含まれる。これと同じ原理は、最小値又は最大値としてただ1つの数値を示す範囲にも適用される。さらに、そのような解釈は、範囲の幅又は記述される特徴とは無関係に適用されるべきである。] [0036] 遺伝子療法の成功をなす基礎は、全身投与後に安全で効果的な遺伝子送達ビヒクルの開発である。本発明は、標的細胞に対して核酸を送達し且つ/又は発現するための、効率的な非ウイルス性ポリマーベース遺伝子キャリアを提供する。一態様では、例えば、生分解性架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)を含むポリマーヌクレオチド発現組成物であって、分枝状ポリ(アルキレンイミン)単位が、生分解性結合を有する短鎖リンカーによって一まとめに架橋されている組成物が提供される。組成物はさらに、生分解性架橋ポリ(アルキレンイミン)に結合されたヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様では、本発明の組成物は、小ヌクレオチド配列を送達するのに特に適している。上述のように、生理的pH以下で製剤の水性媒体中にある場合、本発明の架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)は、一般に陽イオン形態で存在する。したがって、本発明の好ましいポリマーヌクレオチド発現組成物は、生分解性架橋ポリ(アルキレンイミン)中の利用可能な窒素原子のいくつかがプロトン化形態になるので、陽イオン性と見なされる。] [0037] 様々なヌクレオチド配列が、本発明のポリマービヒクルに結合されている。そのようなヌクレオチド配列は、より大きなヌクレオチドマクロ分子を含んでいてもよいが、ポリマー系は、小ヌクレオチド配列の送達及び発現に特に適している。一態様では、そのような小ヌクレオチド配列には、RNAi、siRNA、shRNA、mRNA、tRNA、rRNA、及びミクロRNAを含めてもよいが、これらに限定するものではない。ある特定の態様では、小ヌクレオチド配列にはsiRNAを含めてもよい。以下の実施例に示されるように、ポリマービヒクルは驚くべきことに、siRNAなどのRNAi部分の送達及び/又は発現に十分適している。ポリ(アルキレンイミン)単位中の窒素とヌクレオチド分子中のホスフェートとのモル比は、約5:1から約200:1、好ましくは約10:1から約100:1、より好ましくは約20:1から約50:1である。] [0038] さらに別の態様では、本発明は、本発明の架橋ポリ(アルキレンイミン)及びヌクレオチド分子を含む医薬組成物を提供する。ある態様では、ヌクレオチドが小RNA分子である。これらの組成物において、ヌクレオチド分子は、架橋ポリ(アルキレンイミン)に結合されている。組成物中のヌクレオチド分子は、siRNA、shRNA、dsRNA、ssRNA、mRNA、rRNA、ミクロRNA、DNA、プラスミド、cDNA、及びこれらの組合せからなる群から選択される。] [0039] 組成物は、さらに、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、コレステロール、ガラクトシル化脂質、ポリエチレングリコール複合脂質、及びこれらの組合せからなる群から選択される共製剤を含んでいてもよい。] [0040] 本発明のポリマー遺伝子発現組成物は、分枝状ポリ(アルキレンイミン)コポリマーに共有結合された機能的部分を、任意選択で含んでいてもよい。そのような機能的な部分の非限定的な例には、蛍光マーカーなどの可視化剤;脂質;脂肪酸;受容体リガンド;膜透過剤;エンドソーム分解剤;核局在配列;及びpH感受性エンドソーム分解ペプチドが含まれる。一態様では、機能的部分は、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、及びこれらの組合せからなる群から選択されるメンバーを含む脂肪酸にすることができる。用いられる場合、可視化剤は、本発明の架橋生分解性分枝状ポリ(アルキレンイミン)に、この分枝状ポリ(アルキレンイミン)単位のモル当たり、可視化剤を約0.01から0.2、好ましくは約0.07から0.15、最も好ましくは約0.09から0.11モルの程度で、又は架橋ポリマーのモル当たり、可視化剤を約0.05から1、より好ましくは約0.15から0.4、最も好ましくは約0.25から0.35モルの程度で組み込むことができる。] [0041] 本発明はさらに、分枝状ポリ(アルキレンイミン)単位が生分解性結合を有する短鎖リンカーによって一まとめに架橋されている生分解性架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)と、この生分解性架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)に結合されているヌクレオチド分子とを含む、ポリマーヌクレオチド発現組成物を提供する。ヌクレオチド分子の非限定的な例には、siRNA、shRNA、ミクロRNA、dsRNA、ssRNA、mRNA、rRNA、DNA、プラスミド、cDNA、及びこれらの組合せが含まれる。] [0042] 本発明はさらに、分枝状ポリ(アルキレンイミン)単位が、生分解性結合を有する短鎖リンカーによって一まとめに架橋されている、生分解性架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)を作製するための方法を提供する。そのような方法は、複数の分枝状ポリ(アルキレンイミン)単位の第1級及び第2級窒素原子の少なくとも50%を可逆的に遮断して、保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)単位を形成するステップと、複数の保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)単位を、生分解性結合を有するリンカーで架橋するステップと、架橋後、保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)単位を脱保護するステップとを含んでいてもよい。この遮断−反応−脱保護の方法により、任意のリガンドの付加が可能になる。] [0043] 様々なポリアルキレンイミンは、ヌクレオチドの送達及び/又は発現のためのポリマー主鎖として、本発明の態様で使用されることが企図される。適切なポリ(アルキレンイミン)の非限定的な例は、ポリ(トリメチレンイミン)、ポリ(テトラエチレンイミン)、ポリ(1,2−プロピレンイミン)、ポリ(エチレンイミン)、及びこれらの組合せである。本発明の特定の態様では、分枝状ポリ(アルキレンイミン)が分枝状ポリ(エチレンイミン)(「BPEI」、「PEI」、又は「分枝状PEI」)である。本明細書で使用される好ましい分枝状PEIは、約1000ダルトンから約4000ダルトン、より好ましくは約1200から2500ダルトン、最も好ましくは約1500から2000ダルトンの分子量を有する。] [0044] PEIは、DNAを、小さな狭い範囲に分布した正電荷の球状複合体へと、効率的に凝縮し、したがって、細胞にin vitro及びin vivoでトランスフェクトすることができる。PEIは、PEIのトランスフェクション活性がポリマー/DNA比の増大とともに増大する点で、その他の陽イオン性ポリマーと類似している。PLLに優るPEIの明らかな利点は、そのエンドソーム分解活性であり、PEIによって高いトランスフェクション効率を得ることが可能になる。本明細書で使用するのに適した分枝状PEIは、約25%の第1級窒素原子、約50%の第2級窒素原子、及び約25%の第3級窒素原子を有する。] [0045] 水性媒体中のPEIのプロトン化の全体的な程度は、pH7からpH5で2倍になり、これはエンドソーム内でPEIがかなりプロトン化されたことを意味する。いかなる理論にも拘泥するものではないが、PEIのプロトン化は、エンドソーム膜を通して塩素流入を引き起こし、水は、エンドソーム内の高イオン濃度に逆らって流れ、最終的には浸透圧膨張からのエンドソーム破壊及び捕捉されたDNAの放出をもたらすと考えられる。その内因的なエンドソーム分解活性により、PEIは一般に、トランスフェクションのためにエンドソーム分解剤の添加を必要としない。さらに、PEIの細胞傷害性及びトランスフェクション活性は、ポリマーの分子量に多かれ少なかれ直線的に関係している。] [0046] 遊離BPEIの使用は、無水遊離塩基又は塩化物などの塩としての吸湿性と、より高い分子量のBPEIで観察される細胞傷害性とに起因して、ある不都合をもたらす可能性がある。本発明は、より小さなBPEI単位からより大きなMWの生分解性凝集体をアセンブルすることによって、高MW BPEI細胞傷害性を回避し又は緩和することを目標とする。PEI架橋で使用される任意の2官能性リンカーは、同じポリマー単位に属する2個の窒素原子同士の結合を形成する(即ち、ポリマー分子を実際に結合せずにループを形成する。)ことができ、又は、異なるポリマー単位の2個の窒素原子同士の結合を形成する(即ち、ポリマー単位を実際に結合する。)ことができる。これら2つの結合形態を分光的に区別することは難しくなる可能性があるので、1つの有用な分析試験は、光散乱又は溶液粘度測定による分子量の決定、及び得られた架橋生成物の生物活性の測定法となり得る(例えば、参照により本明細書に組み込まれるJ.Mater.Chem.1995、5、405〜411参照)。任意の所与の窒素原子付近では、同じ主鎖の窒素の局所濃度が高く、これは溶液濃度に依存せず、一方、異なる主鎖の窒素の濃度は低く、濃度依存性である。したがって、通常の条件下では、ループ形成が、リンカーの好ましい反応経路であると予測することができる。] [0047] そのようなループ形成を最小限に抑えるために、以下の手法の少なくとも1つを利用することができる。第1の手法は、反応混合物中で、ポリマー分子の濃度を増大させるステップを含んでいてもよい。第2の手法は、全てのポリマー分子上の利用可能な窒素原子の数を、適切な保護基でこれら窒素原子を可逆的に遮断することにより減少させるステップを含んでいてもよい。分子当たりただ1個の窒素原子が利用可能な限界では、ループ形成が不可能になり、唯一可能な凝集体はダイマーである。それほど余すところなく保護されてはいないポリマーの場合、その他のポリマー鎖からの窒素原子の局所濃度は、同じ鎖の窒素の場合と並行して低下するが、それと同等にすることができ、ループ形成に対して50%の結合機会をもたらす。分子量は、様々な要因に応じて変化し得るが、一態様では、架橋ポリマーの分子量は、約15000Daから約25000Daに及んでもよい。別の態様では、架橋ポリマーの分子量は、約3000Daから約10000Daに及んでもよい。さらに別の態様では、架橋ポリマーの分子量は、約500Daから約2000Daに及んでもよい。他の態様では、架橋ポリマーの分子量は、約500Daから約25000Daに及んでもよい。] [0048] 一態様では、適切な架橋BPEIアミノ基は、BPEI分子の表面に又は表面付近に、第1級アミノ基を含む。したがってBPEIの場合、前述の保護は、化学選択的であり、第2級アミノ基の全て又はほぼ全てを保護し、一方、第1級アミノ基の一部は何もない状態のままにすべきである。] [0049] BPEIは、BPEI凝集体のアセンブリ中に、保護基としてtert−ブトキシカルボニル(BOC)を使用して、保護形態に変換することができる。これらの反応は、典型的には水が存在しない状態で、即ち有機溶媒中で実施される。一態様では、BPEI単位の第2級窒素原子の約50%から約99%を保護することができる。別の態様では、BPEI単位の第2級窒素原子の約75%から約99%を保護することができる。さらに別の態様では、BPEIの第2級窒素原子の約90%から約95%を保護することができる。] [0050] 一態様では、BPEI中の第2級アミノ基の約90%から95%を保護することができ、一方、第1級アミノ基の80〜90%は保護されないままであり、さらなる修飾に利用可能である。BPEI分子の表面で遊離している第1級アミノ基の密度は、その後の遮断によってさらに減少し、したがって、より少ない数の基が遊離状態のままである。例えば、3から7個[30〜70%]の第1級アミノ基が、BPEI1800Dの場合に遊離状態のままであってもよい。より高い保護範囲で得られた材料は、その残された遊離NH基上で化学修飾の影響を受け易い。この手法は、脱保護BPEIを使用した場合に回避できないループ形成を最小限に抑えるので、いくつかのより小さなBPEI分子を結合するのに好ましい。さらに、一態様では、架橋が終了するのと同時に、ワンポット反応で、側基リガンドをポリエチレンイミン単位に結合することが都合よいと考えられる。] [0051] BPEI単位の窒素基を選択的に保護する任意の方法は、本発明の範囲内にあると見なされることに留意すべきである。1つの例示的な技法は、共に参照により本明細書に組み込まれるO’Sullivanら、1988 Tetrahedron Letters vol.29、no.50、pp 6651〜6654、及びO’Sullivanら、1996 J.Enzyme Inhibition、vol.11、pp 97〜114に教示されている、小さな(3〜4窒素原子)線状ポリアミンの3段階選択的保護技法である。この技法は、トリフルオロアセトアミドとして第1級アミノ基の全てを保護し、それと共にトリフルオロ酢酸塩として第2級アミノ基を残すステップと、次いでこれら第2級アミノ基をt−ブトキシカルボニル(BOC)又はその他の誘導体として保護するステップと、最後に第1級アミノ基を脱保護するステップとを含む。この技法は、約20個の第2級NH及び約10個の第1級NH2を有するBPEI1800Dなどのさらに大きいポリアミンで良好な結果が得られる調製用途が可能になるように、十分選択的である。望みに応じて、多かれ少なかれ球状のBPEIの外面に残された第1級アミノ基のいくつか(BPEI1800D分子当たり約10個)は、さらに保護することができ(統計上)、ポリ(アルキレンイミン)分子当たりさらに少ない数の遊離状態にある第1級アミノ基はそのままである。] [0052] そのような保護単位と補助リガンド(例えば、脂質、任意選択の蛍光タグ)との反応は、さらに、利用可能な第1級アミノ基の数を制限し、これらの間隔をさらに離して配置し、したがって、これらと2官能性リンカーとの相互作用は分子内架橋をもたらさず、その結果、ゲル形成を行うことができる。] [0053] 架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)のサイズ、即ち分子量と、架橋度は、望みに応じて調節することができる。架橋ポリマーのサイズは、出発BPAIのサイズ又は分子量、リンカーのサイズ、架橋度などに依存することになる。] [0054] 本発明の適切な架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)は、約500、より好ましくは約600から約25000ダルトンに及ぶ平均分子量を有する。特定の架橋生成物は、約4000〜20000ダルトンに及ぶ平均分子量を有する。さらにその他の架橋生成物は、8000〜15000ダルトンに及ぶ平均分子量を有する。] [0055] 短鎖リンカーは、本発明の態様による分枝状ポリマー単位を架橋するのに利用される。短鎖リンカーは、約6から約40原子の主鎖長を有し、通常は必ずしも対称ではなく、その主鎖中に少なくとも1個の生分解性結合を有する基である。典型的なリンカーは、約100から約500ダルトンに及ぶ平均分子量を有する。リンカー基に対する前駆体分子は、その主鎖の各端部に活性化学基を有し、これらの化学基は同じでも異なっていてもよい。結合は、これら活性化学基を通して実施され、それによって、2個のポリアミン単位又は1個のポリアミン単位と補助リガンドとが結合される。さらに、リンカーは分枝状であってもよく、それによって、3個以上の末端活性化学基が含有される。一態様では、そのようなリンカーは、ジチオジアルカン酸誘導体のように、分解性ジスルフィド結合を介して結合されたアルカノイル部分に合計2〜20個の炭素原子を有するアルカンジオイル基鎖である。そのようなリンカーは、式: −C(O)(CH2)xSS(CH2)yC(O)− により表すことができる (式中、x及びyは独立して、1〜12の整数を表す。)。そのようなリンカーは、リンカーとポリ(アルキレンイミン)とを結合するそれらの末端に、アミド結合を有することになる。] [0056] 架橋生成物中のリンカーに対する前駆体の反応性基には、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルなどの活性化エステル、アシルハロゲン化物、クロロホルメートなどの活性化炭酸誘導体、又はイソシアネートやイソチオシアネートなどの活性化アミン誘導体が含まれるが、これらに限定するものではない。] [0057] リンカーは、短鎖ポリエチレングリコール(「PEG」)基であってもよく、即ち、約2〜12個のオキシエチレン基を有し生分解性ジスルフィド結合を含有するPEGであってもよい。PEGリンカーに対する前駆体上の代表的な反応性基は、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルなどの活性化エステル、アシルハロゲン化物、クロロホルメートなどの活性化炭酸誘導体、及びイソシアネートやイソチオシアネートなどの活性化アミンを含むがこれらに限定するものではない末端活性化化学基である。] [0058] リンカー用に選択される構造に応じて、その親水性/疎水性は様々に変化し、生物学的条件下でのリンカーの分解し易さに影響を及ぼす可能性がある。この性質は、結合されたポリマー凝集体の微調整が望まれる場合、役立てることができる。] [0059] 広く様々な生分解性結合が、短鎖リンカーへの組込みに企図される。一態様では例えば、生分解性結合は、エステル、アミド、ジスルフィド、及びホスフェート結合の少なくとも1種を含むことができる。ある特定の態様では、生分解性結合を、生分解性ジスルフィド結合にすることができる。別の特定の態様では、上述のように、生分解性ジスルフィド結合を、ジチオジプロピオン酸又は別のジチオジアルカン酸のアミドなど、二酸部分の一部にすることができる。1つの特定の例には、アルキル鎖長が1から10炭素原子であるジチオジアルカン酸を含めてもよい。さらに別の特定の態様では、生分解性ジスルフィドリンカーが、生分解性ジスルフィド結合を有するエチレングリコール部分を含むことができる。エチレングリコール部分の1つの非限定的な例は、ジチオジ(テトラエチレングリコール−カルバメート)である。] [0060] 生分解性結合の追加の非限定的な例には、エステル、アミド、ホスフェート、ホスホエステル、ヒドラゾン、cis−アソチニル、及びウレタンを含めてもよい。任意のリンカーは段階的に反応することができるので、リンカーは、異なるポリ(アルキレンイミン)単位又は同じポリ(アルキレンイミン)単位の異なる領域を結合することができる(ループ形成)。後者は、上述のように、多数のループ形成に起因して、溶解度に乏しい軽度に架橋した材料の形成を促進させる。本発明の技法は、窒素原子の部分的及び可逆的な化学選択性[第2級対第1級]遮断/保護をポリマー単位に組み込んで、この課題を最小限に抑える。そのような選択的保護は、ポリマー単位の結合を促進させる。この方法は、ペンダント補助リガンド(例えば、脂質又は可視化剤)の、架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)への都合の良い組込みも可能にする。] [0061] 生成物である架橋ポリ(アルキレンイミン)中の、リンカーのモル数と分枝状ポリ(アルキレンイミン)のモル数との比は、約0.1:1から約5:1である。より好ましくは、リンカーのモル数と分枝状ポリ(アルキレンイミン)コポリマーのモル数との比が、約1:1から約5:1である。] [0062] 一態様において、本発明の架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)は、式Iによって表すことができる: (Ly(BPAI))xYz I (式中、 BPAIは、約1000ダルトンから約25000ダルトンの範囲内の数平均分子量を有する分枝状ポリアルキレンイミン単位を表し、 Yは、2官能性生分解リンカーを表し、 Lは、リガンド又は官能性部分を表し、 xは、2から20の範囲内の整数であり、 yは、0.01から100に及び、統計的に平均された組込み度に関連し、 zは、1から40の範囲内の整数である。)。] [0063] 本発明の好ましい実施形態は、式IIによって表すことができる: Ls[−CO(CH2)aSS(CH2)aCO−]p{[(CH2)nN(−X)−]q}r II (式中、 Lは、脂質、可視化剤、及び標的リガンドからなる群から選択されるリガンド又は官能性部分を表し、 Xは、水素、又は主鎖の別の−(CH2)nN(X)−分枝、又は隣接する窒素原子もリンカーを保持する場合には、リンカーを表し、 [−CO(CH2)aSS(CH2)aCO−]は、生分解性ジチオ二酸リンカーを表し、 「a」は、1から15までの整数であり、 「n」は、2から15までの整数であり、 「p」は、1から100までの整数であり、 「q」は、20〜500の整数であり、 「r」は、2から20までの整数であり、 「s」は、0.01から40までの数値であり、統計的に平均された組込み度に関する。)。] [0064] 上述のように、本発明の生分解性の架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)は、低分子量の分枝状ポリ(アルキレンイミン)単位、好ましくはPEI単位を、例えば生分解性ジスルフィド結合で架橋することによって合成することができる。得られる本発明の生分解性架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)は、水溶性である。本発明の架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)のトランスフェクション活性と、現在利用可能なポリマーのトランスフェクション活性との差は、ポリマー組成、合成スキーム、及び生理化学的性質の相違に起因すると考えられる。本発明の脂質官能化架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)は、核酸に見られるようなポリアニオン化合物に静電結合されたアミン基を有する。これらの架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)は、DNAを凝縮し、コンパクトな構造を形成する。さらに、生物活性材料を送達した後の、モノマー分解生成物(即ち、脂質及びリンカー断片を保持する低MW BPEI)の低毒性により、遺伝子キャリアには低い細胞傷害性及び高いトランスフェクション効率がもたらされる。] [0065] 式I及びIIに示されるように、本発明の生分解性架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)は、様々な官能性部分又はリガンド、例えばトレーサー(例えば可視化剤)又は標的リガンドなどに、直接又はスペーサー分子を介して結合することができる。一態様では、利用可能なアミノ基の少しの部分しか、リガンドに結合しない。架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)に結合した標的リガンドは、ポリマー/核酸/薬物複合体が特定の標的細胞に結合して、そのような細胞(腫瘍細胞、肝細胞、及び造血性細胞など)内に浸透するように仕向ける。標的リガンドは細胞内標的要素であってもよく、核酸/薬物の移動が、ある好ましい細胞内コンパートメント(ミトコンドリア及び核など)に向かうように案内することが可能である。] [0066] 一態様では、リガンドは、ポリマーのアミノ基に結合された糖部分を含むことができる。そのような糖部分は、好ましくは単糖又はオリゴ糖、例えばガラクトース、グルコース、フコース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マンノース、セロビオース、ニトロース、トリオース、デキストロース、トレハロース、マルトース、ガラクトサミン、グルコサミン、ガラクツロン酸、グルクロン酸、及びグルコン酸などである。ラクトースのガラクトシル単位は、肝細胞に都合の良い標的分子を提供するが、それはこれら細胞上のガラクトース受容体の高い親和性及び結合力による。] [0067] 別の態様では、官能性部分が可視化剤であってもよい。可視化剤は、発色性又は蛍光性の色素又はマーカーを含む。数多くの蛍光マーカーが考えられるが、特定の代表例には、ローダミン、Cy3、Cy5、及びフルオレセインが含まれる。さらに、蛍光マーカーと架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)との間のモル比は、性質が意図される標的及び様々なその他の手順の詳細に応じて変化し得る。ある態様では、可視化剤、例えば蛍光マーカー又は発色性マーカーと、架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)とのモル比が、約0.05から1、より好ましくは約0.15から0.4、最も好ましくは約0.25から0.35である。] [0068] 使用することができる、その他のタイプの標的リガンドには、抗体又は抗体断片などのペプチド、細胞受容体、成長因子受容体、サイトカイン受容体、葉酸塩、トランスフェリン、上皮成長因子(EGF)、インスリン、アシアロオロソムコイド、マンノース−6−ホスフェート(単球)、マンノース(マクロファージ、いくつかのB細胞)、ルイスX及びシアリルルイスX(内皮細胞)、N−アセチルラクトサミン(T細胞)、ガラクトース(結腸癌細胞)、及びトロンボモジュリン(マウス肺内皮細胞)、ポリミキシンB及びヘマグルチニンHA2などの融合誘導因子、リソソーム作用剤、T−抗原などの核局在化シグナル(NLS)などが含まれる。さらに、ある特定の態様では、官能性部分に脂肪酸基を含めてもよい。脂肪酸基の非限定的な例は、ブチロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、ミリストレオイル、パルミトレオイル、オレオイル、リノレオイル、α−リノレノイル、及びこれらの組合せである。] [0069] 本発明の1つの利点は、粒径及び電荷密度が容易に制御される遺伝子キャリアを提供することである。粒径の制御は、この粒径によって、しばしばトランスフェクション効率、細胞傷害性、及び組織標的がin vivoで決定されるので、遺伝子送達系の最適化に重要と考えられる。一態様では、粒径が直径約100nmでよく、これは、エンドサイトーシスを介して細胞内に進入するのに効率的な粒径と考えられる。別の態様では、粒径が約50nmから約300nmであってもよい。別の態様では、粒径が約50nmから約500nmであってもよい。さらに、正に帯電した粒子表面は、負に帯電した細胞表面に結合する十分な機会を与え、その後、エンドサイトーシスによって細胞内に進入する。本発明で開示された遺伝子キャリアは、約+1から約+60mVの範囲のζ電位を有する。] [0070] 本発明の架橋ポリ(アルキレンイミン)は、RNAやDNAなどのマクロ分子を哺乳動物細胞に送達するのに適している。記述したように、本発明の架橋化合物は、小ヌクレオチド配列の保護及び送達に特に適している。陽イオン性ポリマー/ヌクレオチド複合体の粒径及びζ電位は、ポリマー/ヌクレオチド複合体中のポリマーとヌクレオチド分子との間での、窒素とホスフェート(N/P)との比によって影響を受ける可能性がある。以下に示される実験及び結果は、生分解性ポリマーの物理化学的性質が、安全で効率的な遺伝子送達系としてのその用途に適合していることを実証する。] [0071] 本発明の架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)の調製に関する代表的な手順を、以下のスキームIに示す。簡略化のため、分枝状ポリ(アルキレンイミン)(「BPAI」)の分子又は単位を、第1級窒素原子を示すドットを用いた円によって表す。] [0072] 反応性アミノ基、即ち窒素原子のほとんどは、架橋前に保護され又は遮断されている。ある窒素原子との望ましくない反応を回避することに加え、保護は、互いに間隔を離して配置された非保護アミノ基をそのままにする役割をし、したがって、同じ単位内の窒素原子を介した分子内架橋の形成が妨げられる。] [0073] スキームIに示される方法において、BPAI中の第1級窒素原子が最初に保護され(例えば、離れている可視化剤との任意の予備反応の後)、その後、第2級窒素が、異なる又は第2の保護基で保護される。次いで前者の保護基が第1級窒素原子から除去され、次いでこれらの窒素原子を、架橋前に標的リガンド又は親油性基と反応させることができる。架橋前であり且つ親油性基などとの反応後に、第1級窒素原子の一部を再度保護する。次いで分枝化し、任意選択で誘導体化した分枝状ポリ(アルキレンイミン)を架橋して、本発明の架橋ポリ(アルキレンイミン)を提供する。次いでアミノ基の脱保護を、望みに応じて実施することができる。最終的な脱保護架橋生成物は、単に図式的には、環状3−単位構造として示される。] [0074] 以下の例は、本発明のある実施形態のより明瞭な理解を促進させるために示すものであり、その限定をいかなる方法によっても意味するものではない。] [0075] (例1) 蛍光標識した選択的に保護された(Liss)BPEI1800D(BOC)20の合成 Polysciences,Inc.、Warrington、PA、USAから得られた1800Da分子量BPEI(BPEI1800D)2.4g(1.33mmol)を、乾燥クロロホルム20mlに溶解し、リサミンスルホニルクロリド65mg(約0.1mmol)を乾燥クロロホルム10mlに溶かした溶液を、撹拌しながら添加する。翌日、赤色溶液を真空濃縮し、油状残渣をアセトニトリル25ml中に採取する。次いでトリフルオロ酢酸エチル11g(77.4mmol)及び水700mg(38mmol)を反応混合物に添加する。次いで反応混合物を撹拌し、一晩還流し、引き続き真空濃縮する。残渣を、乾燥THF 50mlに溶解する。ジイソプロピルエチルアミン6.5g(50mmol)を溶液に添加し、その後、無水t−ブトキシカルボニル(BOC)9g(41.2mmol)を添加する。撹拌した反応混合物を一晩そのままにし、次いで真空濃縮する。粘性のある残渣を、MeOH 150mlに溶解し、商用の28%NH3水溶液80mlを添加し、その撹拌混合物を穏やかに還流する。翌日、混合物を冷却し、真空濃縮し、残渣をCH2Cl2[150ml]とブライン[NH3水溶液でpH11に塩基性化]との間で分配する。水性画分をCH2Cl2[2×50ml]で抽出し、有機画分を合わせ、Na2SO4上で乾燥し、真空濃縮する。得られたフォームのNMR分析は、BPEI分子当たり、約20のBOC基が組み込まれたことを示す。] [0076] (例2) 選択的に保護されたBPEI1800D(BOC)20の合成 Polysciences,Inc.、Warrington、PA、USAから得られたBPEI1800D 2.4g(1.33mmol)を、アセトニトリル25mlに溶解する。次いでトリフルオロ酢酸エチル11g(77.4mmol)及び水700mg(38mmol)を反応混合物に添加する。次いで反応混合物を撹拌し、一晩還流し、引き続き真空濃縮する。残渣を、乾燥THF 50mlに溶解する。ジイソプロピルエチルアミン6.5g(50mmol)を溶液に添加し、その後、無水t−ブトキシカルボニル(BOC)9g(41.2mmol)を添加する。撹拌した反応混合物を一晩そのままにし、次いで真空濃縮する。粘性のある残渣を、MeOH 150mlに溶解し、商用の28%NH3水溶液80mlを添加し、その撹拌混合物を穏やかに還流する。翌日、混合物を冷却し、真空濃縮し、残渣をCH2Cl2[150ml]とブライン[NH3水溶液でpH11に塩基性化]との間で分配する。水性画分をCH2Cl2[2×50ml]で抽出し、有機画分を合わせ、Na2SO4上で乾燥し、真空濃縮する。得られたフォームのNMR分析は、BPEI分子当たり、約20のBOC基が組み込まれたことを示す。] [0077] (例3) 生分解性脂質に結合した架橋BPEI1800D脂質結合体の調製 上記例2で作製されたBPEI1800D(BOC)20(1g、262μMol)を、3.5mlのCHCl3に溶解し、撹拌する。塩化オレオイル(316mg、1.05mMol)をこの溶液に添加する。1時間後、無水BOC(171mg、784μmol)を添加し、混合物を撹拌する。24時間後、混合物を真空濃縮し、残渣をヘキサンで摩砕し、真空乾燥する。得られたフォームを3mlの乾燥CHCl3に採取し、商用のジチオジプロピオン酸及び塩化チオニルから得られた塩化ジチオジプロピオニルの溶液(100mlを、300μlにCHCl3に溶かしたもの、BPEIに対し1.5当量)を、撹拌しながらゆっくり添加する。架橋を48時間進行させ、その後、4M HCl/ジオキサン(3ml)を添加して、BOC保護を除去する。1時間後、不均質な混合物をエーテルで希釈し、遠心分離する。沈殿物を、3回繰り返して、新鮮なエーテルに再懸濁し、再度遠心分離し、乾燥することによって、目標の物質が得られる。] [0078] 上記スキーム2及び3は、官能化架橋小BPEI分子の合成についてまとめる。円はBPEI単位を表し、黒色ドットはBPEI中の第1級アミノ基を表し、太い線はオレオイル基などの補助リガンドを表し、波線は、ジチオジプロピオニルリンカーの図形記号として使用する。BOCは、t−ブトキシカルボニル基であり、TFAはトリフルオロアセチルであり、TFAOHはトリフルオロ酢酸である。] [0079] (例3A) Liss標識された生分解性脂質結合架橋BPEI1800Dの調製 上記例1で調製された(Liss)BPEI1800D(BOC)20を、上記例3に示される手順を本質的に使用して架橋することにより、Liss標識された生分解性脂質結合架橋BPEI1800Dが得られる。] [0080] (例4) siRNAと生分解性架橋分枝状PEIとの水溶性複合体の調製 この例は、分枝状PEIの生分解性架橋単位を用いたsiRNA複合体の形成について例示する。上記例3で調製された架橋BPEIを、0.01〜5mg/mlの最終濃度が得られるように滅菌水に溶解する。siRNAを、0.067〜0.33mg/mlの最終濃度で滅菌水に溶解する。ポリマー/siRNA複合体を作製するため、これら2成分を、5%グルコース又は10%ラクトース又は生理食塩液で別々に希釈して、それぞれ1mlの体積を得、次いでsiRNA溶液を、窒素とホスフェートとの異なる比(N:P)でポリマー溶液に添加する。複合体の形成を、室温で15分間進行させる。] [0081] 複合体形成後、一定分量を、pH、粒径、浸透圧モル濃度、及びζ電位の測定に使用する。グリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)の遺伝子発現をノックダウンするように設計されたポリマー/siRNA複合体の配合データを、表1に示す。複合体形成の効率を決定するために、サンプルを、ゲル電気泳動によって分析する。図1に示されるように、ポリマーとの複合体形成によって、電界中でのsiRNA移動度の完全な停止が引き起こされ、ポリマーによるsiRNAの効率的な凝縮が実証された。粒径分析は、siRNAが、正のζ電位(+25〜35mV)を有する約150〜300nmの粒子に凝縮されたことを示す(表1)。硫酸デキストラン(10000ダルトン)を使用して、siRNAを負に帯電したポリマーと置換することにより、負に帯電したsiRNA分子と正に帯電したポリマーとを分離する。このアッセイを使用して、siRNAと陽イオン性ポリマーとの静電的相互作用を一致させる。さらに、デキストランの相互作用は可逆的であり、siRNAは、複合体形成と複合体分解の事象の後に安定である。さらに、硫酸デキストランは、ポリマー−核酸の相互作用の強度の尺度として使用される。] 図1 [0082] (例5) 架橋分枝状PEIの高siRNA特異性 この例は、小分子量分枝状PEIを生分解性架橋官能化ポリマーで使用することによって、siRNA送達に関するポリマーの効率及び特異性が高まることを実証する。さらなる比較のため、DNA又はsiRNA溶液とポリマー溶液とを、所望の窒素対ホスフェート比(N:P)で混合することによって、線状及びこれとは別に分枝状のPEIの架橋ポリマーをGAPDH siRNA又はルシフェラーゼプラスミドDNAと複合させる。上記例3で調製した架橋ポリマーを、1〜5mg/mlの最終濃度が得られるように滅菌水に溶解する。siRNA又はプラスミドDNAを、0.01〜5mg/mlの最終濃度で滅菌水に溶解する。ポリマー/siRNA複合体を作製するため、ポリマー溶液及びsiRNA溶液を別々に、5%グルコース又は生理食塩液で希釈して、それぞれ1mlの体積にし、次いでsiRNA溶液を、5:1から200:1の窒素対ホスフェート比でポリマー溶液に添加する。複合体の形成を、室温で30分間進行させる。ポリマー/プラスミドDNA複合体を作製するために、ポリマー溶液及びプラスミドDNA溶液を別々に、5%ラクトースで希釈して、それぞれ1mlの体積にし、次いでプラスミドDNA溶液を、窒素とホスフェートとの比が5:1から200:1となる状態でポリマー溶液に添加する。複合体の形成を、室温で30分間進行させる。] [0083] 30分後、DNA複合体を、ルシフェラーゼ遺伝子移入に関して評価し、一方siRNA複合体に関しては、マウス扁平上皮癌(SCCVII)でのGAPDH遺伝子ノックダウンについて評価する。SCCVII細胞(1.5×105)を、10%ウシ胎児血清(FBS)中、12ウェル組織培養プレート内で80%の集密度まで播く。ルシフェラーゼプラスミドDNA 1μg、GAPDH siRNA 1μg、又は対照siRNA(非標的配列)1μgを含有する核酸複合体を、10%FBSが存在しない状態で、CO2インキュベータ内で6時間、各ウェルに添加する。トランスフェクション媒体を除去し、細胞を、10%FBSを含有する新鮮なDMEM1mlと共に40時間インキュベートする。細胞を、リン酸緩衝生理食塩液で洗浄し、TENT緩衝液(50mM Tris−Cl[pH8.0]、2mMEDTA、150mM NaCl、1%Triton X−100)で溶解する。細胞溶解物中のルシフェラーゼ又はGAPDH活性を測定する。ルシフェラーゼ及びGAPDHの最終的な値を、それぞれ相対光単位(RLU)/mg総タンパク質及び単位/mgタンパク質の単位で報告する。総タンパク質アッセイは、ビシンコニン酸(BCA)タンパク質アッセイキット(Pierce Chemical Co.、Rockford、IL)を使用して実施する。この実験から得た結果を、図2A及び2Bに示す。図2A及び2Bに示されるように、GAPDH又はルシフェラーゼ活性は、適切な対照に対して比較する。分枝状PEIベースの架橋ポリマーで調製したsiRNA複合体は、GAPDH発現の>90%阻害をもたらすのに対し、線状PEIベースの架橋ポリマーを用いた複合体は、わずかな阻害(<20%)しかもたらさない。対照的に、線状PEIベースの架橋ポリマーによるDNA送達の効率は、分枝状PEIベースの架橋ポリマーよりも非常に高い。これらの結果は、架橋分枝状PEIベースのポリマーが、架橋線状PEIベースのポリマーに比べ、著しく高いsiRNA特異性を有することを実証している。] 図2A [0084] (例6) VEGF遺伝子発現の阻害 この例は、癌細胞における血管内皮増殖因子(VEGF)遺伝子ノックダウンのための新規な架橋ポリマーの適用について、記述する。VEGF siRNAを、5:1及び200:1の窒素対ホスフェート比(N:P)にある2種の溶液を混合することによって、分枝状PEI架橋ポリマーと複合させる。上記例3で調製した架橋BPEIを、0.01〜5mg/mlの最終濃度が得られるように滅菌水に溶解する。siRNAは、3mg/mlの最終濃度で滅菌水に溶解する。ポリマー/siRNA複合体を作製するため、ポリマー溶液及びsiRNA溶液を別々に、5%グルコース又は生理食塩液で希釈して、それぞれ1mlの体積にし、次いでsiRNA溶液を、5:1及び200:1の窒素対ホスフェート比でポリマー溶液に添加する。複合体の形成を、室温で30分間進行させる。] [0085] 30分後、siRNA混合物を、この混合物がVEGF遺伝子発現に及ぼす影響を調べるために、下記のようにSCVII癌細胞に適用する。SCVII細胞(1.5×105)を、10%FBS中、12ウェル組織培養プレート内で80%の集密度まで播く。VEGF siRNA 1μg又は対照siRNA(非標的配列)0.01mg/mlを含有するsiRNA複合体を、10%ウシ胎児血清が存在しない状態で、CO2インキュベータ内で6時間、各ウェルに添加する。トランスフェクション媒体を除去し、細胞を、10%FBSを含有する新鮮なDMEM1mlと共に40時間インキュベートする。細胞を、リン酸緩衝生理食塩液で洗浄し、TENT緩衝液(50mM Tris−Cl[pH8.0]、2mMEDTA、150mM NaCl、1%Triton X−100)で溶解する。細胞溶解物中のVEGF発現を、ELISAにより定量する。VEGFの最終的な値を、pg/mg総タンパク質及び単位/mgタンパク質の単位で報告する。総タンパク質アッセイは、BCAタンパク質アッセイキット(Pierce Chemical C、Rockford、IL)を使用して実施する。この実験から得た結果を、図3に示す。分枝状PEIベースの架橋ポリマーで調製したsiRNA複合体は、対照siRNA複合体よりも高い、>90%のVEGF発現阻害をもたらす。] 図3 [0086] (例7) VEGFmRNAの阻害 この例は、癌細胞におけるVEGF遺伝子ノックダウンのための新規な架橋ポリマーの適用について、記述する。VEGF siRNAを、5:1から200:1の窒素対ホスフェート比(N:P)にある2種の溶液を混合することによって、分枝状PEI架橋ポリマーと複合させる。上記例3で調製した架橋BPEIを、1〜5mg/mlの最終濃度が得られるように滅菌水に溶解する。siRNAは、0.01mg/mlの最終濃度で滅菌水に溶解する。ポリマー/siRNA複合体を作製するため、ポリマー溶液及びsiRNA溶液を別々に、5%グルコース又は生理食塩液で希釈して、それぞれ1mlの体積にし、次いでsiRNA溶液を、5:1から200:1の窒素対ホスフェート比でポリマー溶液に添加する。複合体の形成を、室温で30分間進行させる。] [0087] 30分後、siRNA混合物を、この混合物がVEGF遺伝子発現に及ぼす影響を調べるために、下記のようにSCCVII癌細胞に適用する。SCCVII細胞(1.5×105)を、10%FBS中、12ウェル組織培養プレート内で80%の集密度まで播く。VEGF siRNA 1μg又は対照siRNA(非標的配列)0.01mg/mlを含有するsiRNA複合体を、10%ウシ胎児血清が存在しない状態で、CO2インキュベータ内で6時間、各ウェルに添加する。トランスフェクション媒体を除去し、細胞を、10%FBSを含有する新鮮なDMEM1mlと共に40時間インキュベートする。インキュベーション期間の後、製造業者の指示に従いTri Reagentを使用して、細胞からRNAを精製する。転写レベルを、RTPCRを使用して定量し、相対転写単位として報告する。この実験から得た結果を、図4に示す。分枝状PEIベースの架橋ポリマーで調製されたsiRNA複合体は、対照siRNA複合体にも優る、約50%のVEGF発現阻害をもたらした。] 図4 [0088] (例8) 肝細胞におけるマウスApoBmRNAの阻害 この例は、HepG2肝細胞におけるアポリポタンパク質B(ApoB)遺伝子ノックダウンのための新規な架橋ポリマーの適用について、記述する。ApoB siRNAを、5:1及び200:1の窒素対ホスフェート比(N:P)にある2種の溶液を混合することによって、上記例3で調製した架橋BPEIと複合させる。架橋BPEIを、1〜5mg/mlの最終濃度が得られるように滅菌水に溶解する。siRNAは、0.01から5mg/mlの最終濃度で滅菌水に溶解する。ポリマー/siRNA複合体を作製するため、ポリマー溶液及びsiRNA溶液を別々に、5%グルコース又は生理食塩液で希釈して、それぞれ1mlの体積にし、次いでsiRNA溶液を、5:1及び200:1の窒素対ホスフェート比でポリマー溶液に添加する。複合体の形成を、室温で30分間進行させる。] [0089] 30分後、ApoB遺伝子転写物を測定するために、siRNA混合物を下記のようにHepG2肝細胞に適用する。HepG2細胞(1.5×105)を、10%FBS中、12ウェル組織培養プレート内で80%の集密度まで播く。ApoB siRNA 1μg又は対照siRNA(非標的配列)0.01mg/mlを含有するsiRNA複合体を、10%ウシ胎児血清が存在しない状態で、CO2インキュベータ内で6時間、各ウェルに添加する。トランスフェクション媒体を除去し、細胞を、10%FBSを含有する新鮮なDMEM1mlと共に40時間インキュベートする。細胞を、リン酸緩衝生理食塩液で洗浄し、TENT緩衝液(50mM Tris−Cl[pH8.0]、2mMEDTA、150mM NaCl、1%Triton X−100)で溶解する。細胞溶解物中のApoBmRNAレベルを、RTPCRにより定量し、最終的な値を相対転写単位として報告する。この実験から得た結果を図5に示す。分枝状PEIベースの架橋ポリマーで調製されたsiRNA複合体は、対照siRNA複合体にも優る、約80%のApoB転写阻害をもたらす。] 図5 [0090] (例9) 架橋BPEI:DOPEにより配合されたsiRNAのIV注射後の、内因性GAPDHのタンパク質ノックダウン GAPDHのタンパク質レベルを、GAPDH siRNA 100μgを注射してから24時間後のマウスの肺及び肝組織で決定する。siRNAは、5%グルコース、10%ラクトース、又は生理食塩液の全体積300μl中、5:1から200:1のN:P比で配合し、マウスの尾静脈に注射する。この例では、上記例3で調製したBPEIを、リポソーム形態で、(1:1)(モル:モル)でDOPEと同時配合する。DOPEは、エンドソームからの、架橋BPEI/siRNA複合体のトランスフェクション複合体の放出を促進させるために添加する。24時間後、マウスを安楽死させ、組織を素早く取り出し、LN2中で凍結させる。GAPDHのレベルは、図6A及び6Bに示されるように、商業的に利用可能なアッセイを使用して、組織において決定する。結果は、肺及び肝臓の両方において、配合した非サイレンシングsiRNAが注射された対照マウスのGAPDHレベルに比べ、25〜30%のGAPDHレベル低下が実現されることを示している。これらの研究から、脂質を保持する架橋BPEI:DOPE送達系により配合されたsiRNAは、1回のIV投与後に多数の組織で高度に発現した内在性遺伝子のタンパク質発現レベルを調節する能力を有すると結論付けることができる。] 図6A [0091] (例10) 内在性VEGF遺伝子のノックダウンにより腫瘍の増殖及び転移を阻害するための、肺及び肝臓の腫瘍への、脂質保持する架橋BPEI:DOPE配合siRNAのIV送達 VEGFのタンパク質レベルを、VEGF siRNA 100μgを注射してから24時間後のマウスの肺及び肝組織で決定する。VEGF siRNA又は対照siRNAは、全体積300μl中、5:1から200:1のN:P比で、例3の架橋材料を用いて共に配合されたものであり、これらをマウスの尾静脈に注射する。24時間後、マウスを安楽死させ、組織を素早く取り出し、LN2中で凍結させる。分析のため、凍結組織を解凍し、溶解緩衝液中で均質化する。タンパク質分析は、マウスVEGFELISA(R&D Systems、Minneapolis、MN)によるものであり、BCAタンパク質アッセイキットを使用して決定された総タンパク質に対して標準化する。追加の研究において、マウスには、最初に腫瘍細胞系RENCA(腎細胞癌)又はBL16(マウスメラノーマ)をIV注射して、転移性疾患の動物モデルを確立する。腫瘍移植から約5日後、動物に、配合されたVEGF siRNA又は対照siRNAを前述のように投与する。siRNA注射後の時点で、肺を回収し、VEGFタンパク質及び転写物発現レベルを決定する。一部の動物から得た肺は、配合されたsiRNA投与の効力の尺度として、腫瘍小結節と特に腫瘍でのVEGF発現レベルとの定量のために使用される。] [0092] (例11) C型肝炎など、フラビウイルス(Flaviviridae)科の1本鎖プラスセンスRNAウイルスに感染した肝臓に送達するための、架橋BPEI:DOPE配合siRNAのIV又は肝門静脈投与 宿主でのウイルス生存に欠かせないウイルスタンパク質を阻害するための、1本鎖C型肝炎ウイルスに感染した肝臓に対する、架橋BPEI:DOPE配合siRNAの静脈内又は肝内門脈送達。ウイルスタンパク質のレベルは、肝臓及び血液において、VEGF siRNAを100〜300μg注射した後に種々の間隔で測定する。ウイルスsiRNA又は対照siRNAは、全体積300μl中、5:1から200:1のN:P比で配合し、マウスの尾静脈又は肝門静脈に注射する。24時間後にマウスを安楽死させ、組織を素早く取り出し、分析までLN2中で凍結する。] [0093] (例12) グリオーマ及び脳のその他の悪性腫瘍の増殖を阻害するための、及びその他の疾患状態(ハンチントン病など)に関連した異常なタンパク質の発現を阻害するための、架橋BPEI:DOPE配合RNAiの頭蓋内送達 腫瘍関連遺伝子又はハンチントン病などの神経障害に関与する異常な遺伝子を標的とするよう設計された、siRNA、ミクロRNA、合成shRNA、又はshRNAをコード化するプラスミドの局所送達の影響は、架橋BPEI:DOPEと複合され、疾患部位での1回の注射によって又は連続送達によって局所的に(頭蓋内に)投与される。注射された組織を、様々な時間間隔での遺伝子ノックダウン効率に関して分析する。] [0094] (例13) 腫瘍の増殖及び転移を阻害するための、メラノーマ及び頭頸部の腫瘍などの固形腫瘍への、架橋BPEI:DOPE配合siRNAの送達 皮下移植腫瘍の増殖に対する、siRNA/架橋BPEI:DOPE複合体の局所投与の影響を、調査する。100μl中の4×105SCCVII細胞を、メスのFemale CH3マウス(6〜9週齢、17〜22g)の右側腹部に皮下移植する。25:1のN:P比にあるsiRNA複合体を、腫瘍移植後約11日目から開始して4週間にわたり、週に3回まで、注射体積20〜60μl中siRNA用量100〜300μgで腫瘍内に局所投与する。腫瘍の一部を、siRNA投与後の様々な時間で回収して、目標の転写物レベルをモニタする。さらに腫瘍増殖を、カリパス測定を使用して週に2回モニタすることにより、配合されたsiRNAの投与の効力を決定する。] [0095] (例14) 関節炎症、細胞外基質劣化、及び骨異化に関連したタンパク質を阻害するための、架橋BPEI:DOPE配合RNAiの関節内送達 配合されたsiRNAを、関節疾患の治療のために関節内に投与する能力について、調査する。これらの研究では、ラットに対し、全体積100μl中、100μgまでの架橋BPEI:DOPE配合siRNA、ミクロNRA、合成shRNA、又はshRNAをコード化するプラスミドを右及び左膝の関節内(IA)に注射する(麻酔下で)。注射後1日で、動物を犠牲にし、関節組織を回収し、標的である転写物及びタンパク質のレベルに関して分析する。さらに、いくつかの研究では、骨関節炎モデルが確立されることになる。このモデルの骨関節炎は、靭帯の横切開と共に内側半月板切除術を行うことによって、外科的に導入する。4週間の回復期の後、250までの配合siRNAを、2回/週でIA注射する。この研究の終わりに、動物を安楽死させ、治療した膝を回収し、目標とされるタンパク質及び発現レベルと治療効果を評価するために、標準的な手順を使用して組織検査及び免疫組織分析用に調製する。] [0096] (例15) 眼の慢性疾患に関連するタンパク質、例えば血管新生に関連する成長因子の発現を阻害するための、眼内空間への架橋BPEI:DOPE配合RNAiの送達 眼内注射の場合、ラットに麻酔をかけ、5μlまでのN3−オレオイル4:DOPE配合siRNA、ミクロRNA、合成shRNA、又はshRNAをコード化するプラスミドであってVEGFタンパク質に対応するものを、眼に注射する。注射は、29ゲージ針を使用した微量注射器を介して行う。注射後、様々な時間で眼を回収し、VFGEタンパク質及び転写物のレベルを測定することになる。さらに、網膜血管新生の定量のため、標準的な方法を使用する。] [0097] (例16) ウイルス複製及び感染に関与する転写物と、慢性疼痛に関連した転写物とを阻害するための、架橋BPEI:DOPE配合RNAiのクモ膜下送達 クモ膜下送達では、ラットに、クモ膜下(i.th.)カテーテルを埋め込み、治療前に手術から回復させる。10μlまでの架橋BPEI:DOPE配合siRNA、ミクロRNA、合成shRNA、又はshRNAをコード化するプラスミドを、クモ膜下カテーテルを介して脊髄の腰部領域に送達する。注射は、3回/週まで行う。標的タンパク質及び転写物の発現レベルを、腰背部脊髄から測定する。] [0098] (例16) 架橋BPEIと配合したVEGF siRNAの静脈内注射後の、肝臓及び脾臓でのVEGF転写物ノックダウン この例では、siRNA標的マウスVEGFを、生理食塩液中10:1のN:P比で、例3で調製された架橋BPEIと配合した。300μlの体積(0.3mg/mlの最終siRNA濃度で)を、ICRマウスの尾静脈に注射した。静脈内注射から24時間後に、動物を安楽死させ、肝臓及び脾臓を回収してRTPCRによる転写物分析を行った。この研究の結果は、VEGF siRNAの投与によって、肝臓では非サイレンシング対照群に比べてVFGF転写物に20%の低下が生じ、脾臓ではVEGF転写物に約80%の低下が生じたことを示している(図7)。] 図7 実施例 [0099] 上述の実施形態は、本発明の原理の適用例の単なる例示であることを理解されたい。数多くの修正及び代替の実施形態を、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく導き出すことができ、添付される特許請求の範囲は、そのような修正及び配置構成などを包含するものである。したがって、本発明について図面に示し且つ本発明の最も実用的な且つ好ましい実施形態(単数又は複数に)であると現在見なされるものに関連して具体的に且つ詳細に、上記にて十分に記述してきたが、特許請求の範囲に記載される本発明の原理及び概念から逸脱することなく、数多くの修正を行うことができることが、当業者に明らかにされよう。]
权利要求:
請求項1 第1級、第2級、及び第3級アミノ基を有する分枝状ポリ(アルキレンイミン)単位からなる架橋ポリ(アルキレンイミン)であって、該単位が、ポリ(アルキレンイミン)単位中の第1級アミノ基及び生分解性結合を有する短鎖リンカーにより互いに共有架橋結合しており、少なくとも1個の第1級アミノ窒素が任意選択で保護されており、少なくとも1単位が、標的リガンド、可視化剤、及び/又は親油性基に任意選択で結合されている上記架橋ポリ(アルキレンイミン)。 請求項2 約500から約25000ダルトンの平均分子量を有する、請求項1に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)。 請求項3 前記リンカーが、約100から約500ダルトンの平均分子量を有する、請求項1に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)。 請求項4 リンカーのモル数と分枝状ポリ(アルキレンイミン)のモル数との比が、約1:1から約5:1である、請求項1に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)。 請求項5 少なくとも1単位が、標的リガンド、可視化剤、及び/又は親油性基に結合されている、請求項1に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)。 請求項6 前記可視化剤が、蛍光又は発色性マーカーである、請求項1に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)。 請求項7 複数の前記ポリ(アルキレンイミン)単位が、親油性基を保持している、請求項1に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)。 請求項8 前記標的リガンドが、受容体リガンド、膜透過剤、エンドソーム分解剤、核局在配列、又はpH感受性エンドソーム分解ペプチドである、請求項1に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)。 請求項9 前記親油性基が、ブチロイル、カプロイル、カプリロイル、カプロイル酸、ラウロイル、ミリストイル、プラミトイル、ステアロイル、ミリストレオイル、パルミトレオイル、オレオイル、リノレオイル、α−リノレノイル、及びこれらの組合せからなる群から選択される脂肪酸基である、請求項7に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)。 請求項10 前記可視化剤が、ローダミン、Cy3、Cy5、フルオレセイン、及びこれらの組合せからなる群から選択され、ポリ(アルキレンイミン)単位のモル数と可視化剤のモル数との比が約5:1から約1000:1である、請求項6に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)。 請求項11 前記生分解性結合が、エステル、アミド、ジスルフィド、又はホスフェート結合である、請求項1に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)。 請求項12 前記生分解性結合が、生分解性ジスルフィド結合である、請求項11に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)。 請求項13 前記生分解性結合が、アルカノイル部分が2〜10個の炭素原子を有し生分解性ジスルフィド結合がエチレングリコール部分に含有されているジチオジアルカノイル酸、ジチオビス−アルキルジイソシアネート、ジチオビス−アルキルジイソチオシアネート、ジチオビス−エチレングリコールジイソシアネート、及びジチオビス−エチレングリコールジイソチオシアネートからなる群から選択されるジチオ二酸の生分解性ジスルフィド結合である、請求項11に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)。 請求項14 前記エチレングリコール部分がジチオジ(テトラエチレングリコール−カルバメート)である、請求項13に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)。 請求項15 前記分枝状ポリ(アルキレンイミン)単位が、分枝状ポリ(エチレンイミン)単位である、請求項1に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)。 請求項16 第1の保護基によって保護された、その第1級アミノ窒素原子の実質的に全てと、第2の保護基によって保護された、その第2級アミノ窒素原子の実質的に全てとを有する、分枝状ポリ(アルキレンイミン)である化合物。 請求項17 保護されていない、その第1級アミノ窒素原子の実質的に全てと、保護されている、その第2級アミノ窒素原子の実質的に全てとを有する、分枝状ポリ(アルキレンイミン)である化合物。 請求項18 複数の第1級及び第2級窒素原子を有する、分枝状ポリ(アルキレンイミン)である化合物であって、(a)第2級アミノ窒素原子の実質的に全てが、保護基によって保護されており、(b)第1級アミノ窒素原子が(i)保護されておらず、又は(ii)保護されており、又は(iii)親油性基、標的リガンド、及び/又は可視化剤であるR1に結合しており、第1級窒素の少なくとも1個が保護されており、第1級窒素原子の少なくとも1個がR1に結合されている上記化合物。 請求項19 請求項1に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)及び小RNA分子を含む医薬組成物。 請求項20 前記小RNA分子が、前記架橋ポリ(アルキレンイミン)に結合されている、請求項19に記載の医薬組成物。 請求項21 前記小RNA分子が、siRNA、shRNA、dsRNA、ssRNA、mRNA、rRNA、ミクロRNA、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の医薬組成物。 請求項22 前記分枝状ポリ(アルキレンイミン)単位が分枝状ポリ(エチレンイミン)単位であり、前記短鎖リンカーが、アルカノイル部分が2〜10個の炭素原子を有し生分解性ジスルフィド結合がエチレングリコール部分に含有されているジチオジアルカノイル酸、ジチオビス−アルキルジイソシアネート、ジチオビス−アルキルジイソチオシアネート、ジチオビス−エチレングリコールジイソシアネート、及びジチオビス−エチレングリコールジイソチオシアネートからなる群から選択され、小RNA分子を含む、請求項19に記載の医薬組成物。 請求項23 前記小RNA分子が前記架橋ポリ(アルキレンイミン)に結合されている、請求項19に記載の医薬組成物。 請求項24 前記小RNA分子が、siRNA、shRNA、dsRNA、ssRNA、mRNA、rRNA、ミクロRNA、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載のポリマーヌクレオチド送達組成物。 請求項25 請求項15に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)、及びヌクレオチド分子を含む医薬組成物。 請求項26 前記ヌクレオチド分子が前記架橋ポリ(アルキレンイミン)に結合されている、請求項25に記載の医薬組成物。 請求項27 前記ヌクレオチド分子が、siRNA、shRNA、dsRNA、ssRNA、mRNA、rRNA、ミクロRNA、DNA、プラスミド、cDNA、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項26に記載の医薬組成物。 請求項28 前記ポリ(アルキレンイミン)単位中の窒素と前記ヌクレオチド分子中のホスフェートとのモル比が、約5:1から約200:1である、請求項25に記載の医薬組成物。 請求項29 ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、コレステロール、ガラクトシル化脂質、ポリエチレングリコール結合脂質、及びこれらの組合せからなる群から選択される共製剤(coformulant)をさらに含む、請求項25に記載の医薬組成物。 請求項30 (a)分枝状ポリ(アルキレンイミン)内の第2級窒素原子の少なくとも約50%を可逆的に遮断して、保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)を形成するステップと、(b)保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)を、生分解性結合を有する短鎖リンカーと架橋するステップとを含む、請求項1に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)を作製するための方法。 請求項31 (c)架橋後に、保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)単位を脱保護するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。 請求項32 ステップ(a)において、分枝状ポリ(アルキレンイミン)の第2級窒素原子の約75%から約99%が可逆的に遮断される、請求項30に記載の方法。 請求項33 ステップ(a)において、分枝状ポリ(アルキレンイミン)の第2級窒素原子の約90%から約95%が可逆的に遮断される、請求項30に記載の方法。 請求項34 (a)分枝状ポリ(アルキレンイミン)内の第1級窒素原子の少なくとも約75%を可逆的に遮断して、第1級窒素が保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)を形成するステップと、(b)第1級窒素分枝状ポリ(アルキレンイミン)内の第2級窒素原子の少なくとも約50%を可逆的に遮断して、第1級窒素及び第2級窒素が保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)を形成するステップと、(c)第1級窒素及び第2級窒素が保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)中の第1級窒素原子を脱保護して、第2級窒素が保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)を生成するステップと、(d)第2級窒素が保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)を、生分解性結合を有する短鎖リンカーと架橋して、架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)を形成するステップとを含む、請求項1に記載の架橋ポリ(アルキレンイミン)を作製するための方法。 請求項35 (e)架橋後に、架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)から保護基を除去するステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。 請求項36 (c1)架橋前に、第2級窒素で保護された分枝状ポリ(アルキレンイミン)と、標的リガンド、可視化剤、及び/又は親油性基とを反応させるステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。 請求項37 (1a)第1級又は第2級窒素原子を保護する前に、分枝状ポリ(アルキレンイミン)と、標的リガンド、可視化剤、及び/又は親油性基とを反応させるステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。 請求項38 (a1)第1級又は第2級窒素原子を保護する前に、過剰な分枝状ポリ(アルキレンイミン)と可視化剤とを反応させるステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。 請求項39 請求項30に記載の方法によって調製された、架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)。 請求項40 請求項34に記載の方法によって調製された、架橋分枝状ポリ(アルキレンイミン)。
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